忍者と極道 感想

「忍者と極道」のストーリーを振り返る(第三章 31話)

今日も忍者と極道のストーリーを振り返っていきたいと思います。

最新話までのネタバレが含まれます!よろしくお願いします!

第31話 1000のタンバリン

今回のタイトル、1000のタンバリンは日本のロックバンド、ROSSOの1枚目のシングル曲です。

このROSSOは元THEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)のチバユウスケさんと元BLANKEY JET CITYさんの照井利幸さんを中心とした男性4人で構成されたバンドです。

この1000のタンバリンですが2枚で1つの作品であるという「ツイン・シングル」という珍しい形態のリリースとなりました。

Disk1の表題曲が1000のタンバリン、Disk2の表題曲がアウトサイダーです。

28話のタイトル、アウトサイダーはここからきている可能性が高いということが分かりました。

31話、前回の30話のラストのシーンで殺島の銃撃を受け、倒れる忍者くん。

しかし殺島は全く嬉しそうな表情を見せていません。むしろ怒りに近い表情で

「……脆弱(ショッペ)ェ~~ こんなモンかよ…」

「こんなモンかよ 忍者ってのは…!?」

「こんなモンのため オレは…オレはーーー……!!!」

そう言いながら歯を食いしばる殺島。

しかしーーーピクッと忍者くんの手が動いた、かと思えば一瞬で飛び上がる忍者くん。

殺島も銃で応戦しますがその銃弾は忍者くんの顔をかすっただけでした。

そして忍者くんも暗刃で攻撃、殺島の口元をやや深く削り取ります。

口元から血を流しながら

「脳ミソ撃たれても生存(いき)てやがったかァァ    
忍者てめー真実(マジ)化物(バケモン)だなァァ!!」

そう言い放つ殺島。

冷静に「いや さすがに脳ミソは死ぬだろよ」と返す忍者くん。

「だから着弾の刹那(トキ)弾丸の回転に合わせて頭揺らしてよ 頭蓋骨(ズガイ)の外側で弾丸受け流した」
「生(イチ)か死(バチ)かの 賭けだったがよォ」

ここで説明が入ります。

2006年ブラジルのモンテスククラロスにて
パトリシア・ゴンクラベス・ペレイラ(21)は
元夫との復縁話のこじれから
32口径の拳銃で頭部を撃たれた

だがその銃弾は
頭蓋骨上を滑り抜け
脳を一切損傷させることなく
パトリシアは無事生還した

弾丸の回転と頭部への入射角が
天文学的確率で合致し起きた奇跡!!

九州のとある極道組織では
頭部銃撃から生還した者は
その強運を讃えられ
次期組長に確定するという

本編から引用

前半のくだりは本当のようですけど、最後の極道組織のくだりは多分フィクションでしょうね。

自分の傷口を押さえながら

「…抗わず受け流す…か 意外と……悪くねーのな」そう口にする忍者くん。

再び色姐との会話が思い出します。

「確かに…人生は困難の連続 どうしようもなきことに抗い…疲れ 心折れてしまう大人は珍しく御座いませんわ」
「ですから私諦めますの 困難の激流に抗わず…受け流すのです」
「最善でなく次善を選ぶ…それでよいのです」
「大切なのは心折れぬことーーー…… 今を生き…少しずつ前へ進むことーーー…」
「『人生は諦め』… それがーーー…強く生きるための私の処世術で御座います……!!」

つまり色姐の「諦める」というのは、一つのやり方にこだわらず次の方法を模索する、などといった意味を含んでいるようです。

そして殺島に対し「何かを諦めきれなかったんじゃねーか」と指摘します。

「アンタどっかで…心折れちまったんじゃねーか 暴走にーーー逃げちまいたくなるくれーに…!!!」
「オレ…まだ子供(ガキ)だけどよ そんな大人には…なりたくねーな」

そう言われ、激しい怒りの表情を見せる殺島。

忍者くんの周りの道路を再び撃ち抜き破片を飛ばします。

「今度こそ逝けや!!!」

そう言いながら再び銃を放ちますが、

「勝手に人を終わらせるんじゃねーぞボケェ!!!」

忍者くん、自身の周りの道路を暗刃し、道路の破片を殺島に飛ばします。

「飛び道具のつもりか!?」と言う殺島。しかしすぐに忍者くんの狙いに気づきます。

「非実在(アリエネ)ェ!!! 野郎…ッ 足を使わず手で跳ねて!!」

「自分を“破片”に跳弾させてーーー…ッ!!?」

非実在をアリエネと読むこのルビ芸は好きですね。

殺島の“凶弾舞踏会”(ピストルディスコ)を応用(パク)り超高速で殺島に襲いかかる忍者くん。

忍手“暗刃” “暗打豪羅”(あんだごうら)!!!

殺島の首を狙った一撃は外れましたが、殺島の左腕を切り落とします。

再び自分の身体を破片に跳ねさせる忍者くん。

逆に追い込まれる殺島。

なんのためにここまでやってきたのか、そう言い聞かせる殺島。

銃を撃ち続ける右腕には「パパ大好き」と書かれたブレスレッドが。

「…花奈」切なげに呟く殺島。

「パパ…大好き」

「ねえパパ……花奈のお願い」

「ママとずっとずっと…仲良くしてね」

殺島の言っていた花奈という人は、恋人ではなく自分の娘でした。

ここまでが31話のストーリーです。

31話を振り返って

まさか花奈が娘だったとは…。これは完全に予想外だったんですよね。

冷静に考えたら殺島に娘がいたとしても何もおかしくは無いんですが、勝手に恋人だと思ってたんですよね。

でもそう考えていた人は多いと思います。

恋人も聖華天のメンバーで忍者に殺された、とかかなとなんとなく考えていました。

「…花奈」と呟くシーンですが、片目しか描かれていないにも関わらず、切なさが伝わってくるのが非常に上手い描き方だと思います。

あと本編でも説明のあったパトリシアさんの1件ですが、検索したら記事が出てきたのでこれはマジです。
(九州の極道組織の件はちょっと分かりません)

しかもそのパトリシアさんなんですが、実は頭に1発でなく6発撃たれていたそうです。6発ですよ。

それでも普通に生きておられたそうです。事実は小説よりも奇なり、とはよく言ったものです。