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丸山ゴンザレス「世界の危険思想 悪いやつらの頭の中」感想

今日は私が最近読んで面白かった本を紹介させて頂きたいと思います。

その本のタイトルは「世界の危険思想 悪いやつらの頭の中」です。

書いておられるのは以前TBSで放送されていたTV番組「クレイジージャーニー」で人気だった世界中の危険地帯を取材してまわっておられる丸山ゴンザレスさんです。

私はこの番組も好きでよく観ていました。

この本の帯には

「危険なやつらに、危険な場所で、危険なことを聞いてきた。」とあります。

内容もほぼ帯のまんまでした。

ネタバレが含まれます。

今回は細かい本の内容よりも私の感想をメインで少し大雑把に全9章の感想を書いていきたいと思います。

世界の危険思想 内容

第1章 人殺しの頭の中

第一章ではズバリ「殺人」について書かれています。

日本では現役の殺し屋がインタビューに答えるなどまずないでしょうが、ゴンザレスさんはジャマイカで現役の殺し屋にインタビューをしています。

第一章を読んで思ったのは日本人の感覚では考えられないレベルで「シンプルな動機」そして「金をもらい人を殺す」ということが身近にあるということでした。

第2章 命に値段はつけられる

第二章では人の命を金銭的な価値、値段にした場合について掘り下げます。

漫画のカイジには「金は命より重い」という名言がありましたが、仮にそうだとしても日本とフィリピンでは値段が全く違うようです。

交通事故を起こしたとき、車の修理代のことを考え、被害者の治療費を踏み倒すために相手を轢き殺す、なんて発想は私には当然無いものでした。

第3章 スラムという現実

スラムと言えば治安が悪い場所、というイメージが強いですが必ずしもそうではない、というようなことが書かれています。

しかしそれは基本的に「スラムのルール」を守った上では安全とも言える、くらいのようです。

間違ったボランティア精神についても書かれており、先入観で思い込んでしまう私も身につまされる思いでした。

第4章 裏社会の掟

ギャングについて書かれている章です。

日本の暴力団がそうであるように、海外のギャングにも明確なルールがいくつかあるようです。

それはルールというより「決して破ってはいけない鉄の掟」と言った方が正しいかもしれません。

正直、生きづらそうに思えます。しかし彼らに生きるための選択肢はそう多くはなかったのでしょう。

第5章 本当は危ないセックス

第五章では四章までと打って変わってセックス、性について書かれています。

人間の三大欲求の一つでもあり、世界共通の話題の一つかもしれません。

そして「性的サービスを売る」というビジネスもまた世界中で行われていることなのでしょう。

第6章 世界は麻薬で回っている

以前、テレビで日本の治療中の薬物中毒者の人が「覚醒剤を手に入れるなんて簡単だよ」と言っているのをみたことがあるのですが、海外の治安の悪い国で出回る薬物の量は恐らく日本の比ではないでしょう。

ゴンザレスは「薬物依存者ほど危険な存在はいない」という認識をお持ちのようです。

薬物、ドラッグというものは値段も安いものから高いものまでたくさんあるでしょうが、そのほとんどは人の体を蝕む危険なものです。

この章で主に日本でも度々話題になる「大麻」について中心に書かれています。

日本で大麻が合法化される日は来るのでしょうか?

第7章 なくならない非合法ビジネス

日本でも知らない人に声をかけられ、ついていくと高額な絵画を買わされる、という話はあるでしょうが、海外では時にはるかに恐ろしい目に合う可能性もあります。

お金のために人は悪いことをする。本当はいけないと分かっていても。

そんな人は日本だけではなく、世界中にいるでしょうが基本的な価値観というものは国によっても違い、それは簡単には変えられないのです。

この章ではゴンザレスさん、かなり危ない橋を渡っています。

第8章 自分探しと自己実現の果て

この章では若かりし頃のゴンザレスさんがインドに旅に行かれた時のことが書かれています。
今でもそうですが、若い頃のゴンザレスさんもなかなかスリルを感じる旅をしていたようです。

また「彼が何故危険な場所に行くのか?」という部分についても少しだけ書かれています。

自分探しって1度やってみたいと思いつつ、特に何もしないまま今日まで生きてきてしまったなぁ…。

最終章 危ない思想は毒か薬か

最終章では8章までのことを振り返りながら「思想」というものについて書かれています。

この章ではゴンザレスさんの

「全ての罪を許せとは言わない」と書かれた部分と

「日本にはもう少しでいいので、曖昧なままの状況を許す心が必要なんじゃないだろうか。」という部分が印象に残りました。

まとめ

全9章の内容について、本当に大まかに書いてきました。

この本には他にも最初に「はじめに」、最後に「おわりに」といったこの本を書くに当たってのいきさつなども書かれています。

この本はかなり私としては興味深い内容でしたね。

あのマイク・タイソンのトレーナー、カス・ダマトはタイソンに「世の中は悪いやつを見たがっている」と言ったことがあるらしいですが、危険な場所、危険な人物というのはある意味人の興味を非常に引く存在であるといえるのかもしれません。

こちらの丸山ゴンザレスさん、Youtubeもやっておられますので興味のある方はどうぞそちらもごらんになって見てください。