忍者と極道 感想

忍者と極道 第67話 「魔法の料理」 感想

久々に忍者と極道の感想記事、書いていきたいと思います!

ネタバレ有りの記事となりますのでご注意下さい。

感想を書いていない話も随時書いていきたいと思っています。

第4章も佳境に入り、ますます盛り上がりを見せてきた忍者と極道ですが、第66話にて極道(キワミ)さんが見事投げナイフで舞踏鳥(プリマ)の首と爆弾の配線を一撃で切断した、その続きからです。

第67話 魔法の料理

極道さんのナイフにより、自分の命も奪われ爆弾の解除もされてしまった舞踏鳥。

しかし最後の力を振り絞り、自身の長い髪を掴み、自身の首を極道さんに投げつけます。

やられた

爆弾解除(やら)れて 私も殺害(やら)れた

敗北(やら)れた あの男に完璧にーーー

でも まだ

最期に一矢ーーー…!!!

本編より

投げつけられた生首が極道さんに向かって叫びます。

「極道(あなた)の忍者(トモダチ)は」

ガムテの言葉を思い出し、忍者(しのは)君の正体を極道さんに教えようとする舞踏鳥。

しかし…。

その続きを口にすることはせず、舞踏鳥の首は極道さんの首元に噛みつきます。

しかし、致命的なダメージは与えることは出来ず首から引き剥がされ

「何か…言いかけていたな」「まあ どうでもいい」と舞踏鳥の首は床に静かに
ス…と置かれました。

最期に忍者くんの正体を極道さんに伝え、絶望させようとした舞踏鳥でしたがガムテに対し
「貴方が…極道(あいつ)を絶望させなきゃ」と思い直し伝えるのをギリギリで止めたのでした。

そして舞踏鳥の意識は段々と暗くなり、彼女は昔のことを思い出します。

幼き頃観たバレエ公演、育った家庭のこと、兄に両親と夢を奪われたこと、
兄を殺すことを決意したこと。

そしてガムテに出遭い、兄を殺すことができたこと。

たくさん…たくさん 人を殺したな

罪もない人達をたくさん……殺したな

パパママごめんね 私…人として最低な人生選んだわ

本編より

『……あのとき あれがなかったら どんな大人になれただろう』

そして舞踏鳥は目を覚まします。

大人になった舞踏鳥。飛行機に乗っているようです。

「……あら?」

「……?私…なんか今“変な夢”ーーー見てたような…」

「…疲れてるわね」

そんな舞踏鳥に話しかける一人の幼い少女。

「あのっ…!」
「バレリーナの伊藤幽華さんですよね…!?」

「わ 私…貴女のロンドン公演観ましたっ!!」
「大好きですっ!! あの…サインくださいっ!!」

若干冷めた態度?でサインを書いてあげる舞踏鳥。

舞踏鳥が書いている間、少女は舞踏鳥に貴女みたいな素敵なバレリーナになるのが夢、どうやったら叶いますか?と質問します。

それに対して舞踏鳥は

「……叶わないわよ……夢なんて」と答えます。

自身も結局主演(プリマ)にはなれなかった 少女が観た公演でも群舞(コールド)が精一杯…
夢なんてそんなものだと…

(この場合のコールドというのは、主役の引き立て役の大勢のバレリーナという意味で使われていると思われます。)

そんな舞踏鳥に対し「…どうして? 貴女の踊りはあんなに素敵なのに……!」と尋ねる少女。

舞踏鳥は静かに答えます。

「…間違えちゃったの 何度も… ……たくさん」

「人間ーーー生きていれば思わぬ不運に何度も遭うわ」
「そこでとても冷静ではいられずに つい…誤った道を選んでしまうこともあるーーー」
「私の現在(いま)はそんなたくさんの間違いの報い…」

そう語りながらサインを書いたパンフレット?を手渡す舞踏鳥。

少女は最後に後悔してますか?と聞きます。

舞踏鳥は少女の方を見ながら力強く

「後悔なんてしないわ だって私ーーー精一杯生きたもの…!!」

「どれほど精神(こころ)に余裕をなくしても考えられる限り考え道を選んできた…!!」

「どんな最低の道だったとしても…私が精一杯生きた結果なら…後悔なんてしない!!」

「貴女も……叶わぬ夢を覚悟しなさい そしてーーー」

貴女の人生を精一杯生きなさい

そう言って背筋をしっかり伸ばし堂々と日本に降り立つ舞踏鳥。

その時、舞踏鳥のスマホに電話がかかってきます。

スマホを見ながら「……こいつと結婚したのは 正しい選択だったのかな~~~……」と
一人言を言う舞踏鳥。

電話の先にいるのは結婚相手で、半年ぶりに逢う予定だったのに残業だと言う電話でした。

ごちそうを作ってもらう約束をしていたようです。電話で

「…もうっ いいわよ 大事な仕事(プロジェクト)なんでしょ」

「私が夕飯作ったげる カレーでいい?」
「ニンジン入れるわよ …好き嫌いせず食べなさい」

そう話す舞踏鳥。その顔は今まで本編で見せたことがないくらい幸せそうでした。

「……ズルいね 君は」

「さっき…あれほど私に“悪夢”見せておいてーーー」

「そんな死顔(カオ) どんないい夢…見てるんだい」

そう口にする極道さんの目線の先には穏やかな笑みを浮かべる舞踏鳥の首がありました。

67話を振り返って

今回は泣きましたね。舞踏鳥に感情移入してしまって。

夢の中でも主役にはなれなかった舞踏鳥。しかし初めて幸せそうな顔を見ることが出来ました。

他のグラスチルドレンは死の間際、過去が語られていましたけど舞踏鳥の過去のエピソードは外伝の方で語られていたので、その代わりあったかもしれない未来が描かれるという非常に漫画としても綺麗な展開でした。

舞踏鳥の過去が描かれた外伝「最狂悪童伝ガムテ 前・後編」はコミックDAYSの方で読むことが出来ます。

今回舞踏鳥は夢なんて叶わないということを言っている訳ですが、今回のタイトル「魔法の料理」って
BUNP OF CHICKENの魔法の料理~君から君へ~っていう曲名からきていると思われます。

その曲には

「君の願いはちゃんと叶うよ 大人になった君が言う」
「言えないから連れてきた思いは 育てないままで唄にする」

という歌詞があるんですけど、舞踏鳥の言っていることと対になってるように思えるんですよね。

ただ、対になっているように見えてどちらの言うことも間違っていないような、そんな印象を受けます。

他にも考えさせられる歌詞が散りばめられています。

この曲今回私YouTubeで初めて聞いたんですけど、とても良い曲でした。

こういう風に曲名がタイトルになっててその歌詞の内容が漫画の内容とリンクしているのが忍者と極道の面白いところの一つでもあります。

舞踏鳥が死んだことでグラスチルドレンの幹部(と思われる)メンバーは全滅。

ガムテと忍者くんの決着はまだ着いていません。

第4章はどのような決着を見せるのでしょうか?