今日もオススメの漫画について書きたいと思います!
今日紹介するのは馬場 康誌先生が月刊少年シリウスで連載中の
「ライドンキング」です。
いわゆる「異世界転移、転生もの」なのですがその中でもかなり異色な作品であるといえると思っています。
ネタバレ有りです。よろしくお願いします!
「ライドンキング」あらすじ
この漫画の主人公は一国の大統領です。
15年前に建国を果たした新国家、中央アジアの一角プルジア共和国。
その独立を主導したリーダー、
プルジア共和国 終身大統領 アレキサンドル・プルチノフです。
彼はプルジア解放の英雄であり、様々な武術や格闘技を習得した達人。
そして大統領としても非常に優秀な人物であったため、国民から指示されていました。
しかし彼は一つ悩みを抱えていました。
それは自身のしたいことが出来ていないこと。
それは色んなものを乗りこなしたいということ。
私は“乗りこなす”という行為が好きだ
跨り 操った時の征服感と愛おしさ…
それは えも言われぬ高揚で
私と心を満たしてくれる
しかし およそ乗れるようなものには すべて乗ってしまった
機械も 生き物も…
そして国家でさえ…
どこかに私の“騎乗欲”を満たしてくれる
まだ見ぬ乗り物はないものか…
せめて人並みにでも休暇(バカンス)の時間があれば
未知の乗り物の探求ができるのだが…
第一話より引用
彼は大統領として業務に追われる多忙な毎日を過ごしていました。
そんな中、テロリストがトラックでプルチノフを轢き殺そうとします。
しかしプルチノフは足元の岩盤を踏み込み跳ね上げてトラックを浮かし
そのトラックをまるで柔道の一本背負いのように
投げます。
余裕の表情で危機を脱するプルチノフ。
しかし、トラックを投げた先にあった自分自身の像が壊れ、像の巨大な頭が
彼の頭上に落ちてきます。
……目を覚ました彼は洞窟の中で横たわっていました。
テロリストに拉致されたか。そう思い洞窟から出ようと扉を開ける
プルチノフ。
そして見たのは、
火炎を吐く竜とその竜と闘う二人の少女の姿でした。
何が起きたのか全く分からないプルチノフ。
闘いの最中、二人の少女はプルチノフが出てきた洞窟の中に逃げ込みます。
洞窟の前に立つプルチノフに火炎のブレスをしようとする翼竜。
それを「映画の撮影を装って自分を暗殺しようとしていると思った
プルチノフは翼竜に跳び蹴りをし、プロレス技をかけます。
そして飛び立った翼竜に飛び移ります。
騎乗(ライドン)!!
しかしその時未知の騎乗感を味わったプルチノフは今自分が乗っている翼竜が機械ではなく本物の生き物であることを理解します。
そして翼竜が彼を落とし、飛び去った後、翼竜から逃げていた二人の少女
冒険者のサキとベルと話し、先ほどの翼竜のような存在がまだ他にも存在するという話を聞きます。
なんということだ…
それではいったいここは…
いや……
もはやここがどこでも構わぬ…
あの空飛ぶ竜……
許してくれ 我が国民よ
大統領就任以来 初の長期休暇(バカンス)……
騎乗休暇(ライドンタイム)の始まりである!!
第一話より引用
ここまでが第一話のストーリーになります。
ライドンタイムのここが面白い!
このライドンタイムなんですが、まず素晴らしいのは圧倒的画力です。
異世界転移・異世界転生漫画の中でもトップクラスの画力と言っていいでしょう。
建造物、高原や森林といった風景、モンスターの造形などファンタジーの世界観がその高い画力で見事に描かれています。
そして戦闘シーンも素晴らしいです。
プルチノフは基本武器は使わず、素手、徒手空拳で闘います。
この漫画の作者の馬場康志先生は以前週刊ヤングマガジンにて
「空手小公子 小日向海流」を2000年から2012年まで連載されていました。
それにより培われたであろう格闘シーンの描き方がこの作品でも活かされているように思いますね。
この作品の魅力は絵だけではなく、設定の作り込みも素晴らしいです。
モンスター、魔法、魔術兵器(マジックウェポン)どれも作り込まれていますが、この作品の大きな特徴として、
国や組織、種族、信仰する神による対立などが描かれており、正にこの世界の争いの中に登場人物が生きていることが読んでいて伝わってきます。
主人公プルチノフの魅力
やはり主人公であるアレキサンドル・プルチノフの人間的な魅力についても語らなくてはいけないと思います。
既に書きましたが、彼は武術・格闘技の達人でほぼ身体一つで様々な敵と闘っていきます。
一般的に異世界転移・転生ものの漫画は神様から強力極まりない、いわゆるチートな能力がもらえるというのが定番の流れとなっていますがこの漫画の場合、最初からメチャクチャ強い人が転移した、という少し変わったことになっています。
また作中で獣王と呼ばれる存在に加護を与えてやろうと言われる場面があるります。(無双の膂力、万軍を滅す魔法力など)しかしプルチノフはそれらを全て断ってしまいます。
そして「ならば何を欲する」と聞かれ
「亡き妻の思い出を(思い出せるようにしてほしい)」と答えるのです。
ここまで書いたとおりだと完璧超人のようになってしまいますが彼には果てしない騎乗欲があり、乗れそうな存在が出るたびに目を輝かせるため、そういったところでは親しみやすさもあります。
彼の存在がこの漫画の魅力の大きな部分を占めているのは間違いないでしょう。
よくある異世界漫画に飽きてしまった方、ライドンキング、オススメです!