忍者と極道 感想

「忍者と極道」のストーリーを振り返る(第三章 29話)

今日も忍者と極道のストーリーを振り返っていこうと思います。

最新話までのネタバレが含まれます。よろしくお願いします!

29話 ブラック・ラブ・ホール

今回のタイトルはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)の2003年に発売された7枚目のアルバム「SABRINA HEAVEN」の1曲目に収録されている曲名からきているようです。

前回、生首を大気圏外まで本塁打(ホームラン)され、ドシャアと豪快に倒れるΩの遺体。

防壁(バリケート)も作り、他の場所に行こうとする惨蔵。

その惨蔵を愛多総理が呼び止めます。

「先代総理から聞いたことがあるぞ…ッ 政府や警察と関わりなくッ!!世の悪を成敗する者達がいると…!!」
「その名も“忍者”!!! 御伽噺(おとぎばなし)とばかり思っていたが…君がそうなのか!?」

この話を聞くと正式に引き継ぎの際に詳細を教えて貰える訳でなく、ちょっとしたうわさを聞かされるようなふわっとした感じで忍者のこと教えて貰ったみたいですよね。

しかし惨蔵は「待ちませぬ」と立ち去ろうとします。

「愛多総理大臣閣下…江戸の終わりと共に我等“忍者”は 故あって権力とは縁を切り申した」

「誰の命も聞かぬ己の正義で動く…それが忍者 此度の戦(いくさ)も手出し口出し無用に候(そうろ 
 う)……」

「ではこれにてーーー……」そう言い残し立ち去ってしまいます。

総理に対し、敬意は払っているみたいですね。

そして場面は変わり池袋。

助けた母子に病院に行くよう促す忍者(しのは)くん。

ふと燃えているトラックに描かれた広告に目をやります。

「MAYA ハリウッド映画「SWEAT&SOAP」主題歌 「手ーHANDS…」好評発売中!!」

これらの文字と一緒に繋がれた手、編み込まれた女性のものらしき髪の毛が描かれています。

このMAYAというのはまず間違いなく破壊の八極道の1人です。シルエットでこの髪が何回も出てきていますから。

SWEAT&SOAPは以前も紹介したあせとせっけんですね。

その手を繋いだ広告を見て、その視線を自分の左手に移す忍者くん。

「色姐……」色姐と手を繋いだ時のことを思い出します。

時同じくして堀切の色姐も自分の右手を見つめ、その時のことを思い出していました。そして

「もうーーー5000台は極道車ブッ殺したで御座いましょうか…」

「まだですわ まだまだ……ブッ殺しますわ」

「極道車来れば殺しましょう “破壊の八極道”とやら来れば…殺しましょう」

「そして願わくばーーー……輝村極道(きむら きわみ)彼奴に逢えば……忍者様が事実知るその前にーーー」

5000台ブッ殺したかー。3万台を5人で割ると1人当たり6000台ですから恐らく他の帝都八忍もそれぐらいブッ殺しているんでしょうね。

これ帝都高は全体的に死体の山ですよね。それらを運び出すのも相当大変ですし、すぐに通れるように思えません。見た目が元通りになって通れるようになったとしても幽霊騒ぎとか出そうですよね。

そしてその頃極道さんは上野で電話で話していました。

「やあ 呼んだかい」後ろの帝都高で大変な騒ぎが起きている中、落ち着いた様子で話す極道さん。

「30分後には合流できる……うん じゃあ…また帝都高で逢おう」

ここ最初に読んだ時、殺島と話していると思ってたんですよ。
「“暴走”のほうはどうかね …ほう 楽しそうで何よりだ」って言ってるし。

でも読み返すと何か違うような気がします。殺島はずっと車の上で拳銃持ってるし。
じゃあガムテかな?と思うんですけどそれも違う気がします。

もしかしたらこの時極道さんが電話していたのは全く別の人物かもしれません。

その頃ガムテは聖華天のメンバー2人とパトカーの上で人を殺しまくっていました。

その聖華天の2人は自分たちを30年来の“マブ”(まぶしいくらいわかり合った親友)だと言います。

「オメーにも“親友”(マブ)……いるかい?」そう言われたガムテは

「ねえ…ガムテ 君の叫びは…“僕ら”の叫びだ」そう言っていた大臣のことを思い出し切なげに

「…… いたよ」と呟くのでした。

その頃、殺島は車の上で暴走しながら夢のような気分を味わっていました。

しかし殺島もまた昔のことを思い出します。かつて言われた台詞を。

「“大人”になってよ!!!」

一瞬儚げな、辛そうな表情を見せる殺島。

「…ずっと…ずっと この“暴走”(ユメ)の中にいてえなあ 覚めることなく
 ずっと…ずっと…覚めることなくーーー…」

覚めちまうくらいならーーー

そう思っていた殺島の元に現れる死神を思わせる影。忍者くんでした。

「死にてえかよ 極道…!!!」

「殺りてえな 忍者ァ!!!」

ここまでが29話のストーリーです。

29話を読み返して

極道さんの電話のシーン、今は何かの伏線にしか思えないんだよなァ。

あとこの第三章なんですが近藤先生のTwitterによると、実は描かれたシーンの倍くらい削られたシーンがあるそうで

『特にギリギリまで入れるか悩んだのが殺島が暴走中にジョー・イエローの「USA」を流して、曲に合わせて極道車の上でダンスするシーン』だそうです。

それも読んでみたかったですけどね!

次回は遂に忍者くんと殺島がぶつかります。