忍者と極道 感想

「忍者と極道」のストーリーを振り返る(第三章 19話)

今日も忍者と極道のストーリーを振り返っていきたいと思います。

最新話までのネタバレを含みます。よろしくお願いします!

第19話 ゴッド・ジャズ・タイム

タイトルの「ゴッド・ジャズ・タイム」は日本のロックバンド、
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)の6枚目のアルバム
ロデオ・タンデム・ビート・スペクターに収録されている4番目の曲のタイトルとのことです。

19話は一人の大男が死んだような眼で散らかった部屋に座っているところから始まります。

頭上には首を吊るような輪っかになったロープ、部屋の中にはゴミに混じって車の部品のような物が見えます。

彼自身は無言ですが同じアパートの住民のヒソヒソ話によると

  • 投資詐欺で借金1億円
  • 奥さんが不倫相手と駆け落ち

したそうです。正に人生に絶望しているまっただ中ということです。

そんな中、彼の元に一本の電話が…。電話をかけてきたのは殺島でした。

「押忍…“暴走族神”(ゾクガミ)!!“α”(アルファ)です!!!」
「待っていた…貴方をずっと待っていた!!!」

その胸には大きなα(アルファ)の傷跡がありました。

彼の名前は有羽汰駆(ありは たく)聖華天の副総長だった男です。

場面変わって、【漆黒生命保険】という会社に場面が変わります。

契約が取れなかった左目を髪の毛で隠した男が、上司らしき男に頭を下げています。

「私は無能です」を10回言わされるというパワハラを受けていました。

「死んでも働け!」という紙が壁に貼ってありますし、相当なブラック企業のようです。

上司らしき人物の発言によると、無能で極道を首になった男、のようです。

社員食堂でうつろな目でカレーライスを食べようとしている男。

そんな中、彼の元にも電話が。かけていたのは先ほどの有羽。

有羽から“暴走族神”の話を聞いた男は、声をかけてきた上司をボコボコに殴って
会社を辞めます。髪の毛で隠されていた左目にはΣ(シグマ)の傷跡がありました。

彼の名は詩隈殴偉人(しくま ないと)彼もまた聖華天の副総長でした。

そして彼が見つめるテレビのモニターでは、メジャーリーグの試合がライブ中継されておりにいました。

会場の大歓声が向けられているのは1人の日本人。メジャーリーグの新記録通算“800本塁打”をかけて打席に向かう男の名前は“旋風(かぜ)を呼ぶ男“逢魔賀広偉”(おうまが ひろい)。

顔には大きな“Ω”(オメガ)の傷跡があります。

だがここまでの大注目を浴びていながら彼の心は冷め切っていました。

「“黄金への光景”が見えてるだろうぜ!!!」という実況者の言葉に対し彼は心の中で

「“黄金”ーーー… ……これが?」
「虚無(シャバ)い…」ため息とともにそう呟きます。

この虚無いは忍者と極道の中でも結構人気の高いルビ芸の一つだと思います。

そんな彼の元にも電話が。かけていたのは詩隈でした。

ビシッと背筋を伸ばし、

「押忍ッッッッ!!聖華天特攻隊長“Ω”(オメガ)です!!!」
「“Σ”副総長ッッ お久しぶりです!!!」

聖華天時代の上下関係を今でも重んじる男、オメガ。

暴走族神の話を聞き、試合が最高潮に盛り上がっているにも関わらず
なんと試合をすっぽかし日本に向かいます。

そしてそのΩから電話を受ける仲間、仲間から仲間に電話がどんどん広がり世界中の聖華天のメンバーに暴走族神のメッセージが伝わっていきます。

『その“神(カミ)のひと声”は瞬く間に 全世界の悪童(ワルガキ)共に火をつけた!!!』

電話を切り「明日夜…悪童(ワルガキ)“5万人”集結します」そう話す殺島。

1日で5万人全員に電話いくってその連絡網スゴくない!?

全てを投げ出してみんな集まるんだろうね。

殺島が作った暴走族“暴走師団 聖華天”

史上初!全日本の暴走族・走り屋を統一!その数は10万人!

警官とパトカーの屍を積み上げていったそうです。
(20年前も警官が一杯死んだのか…)

しかし忍者によりメンバーの半分5万人が殺され、文字通り“半殺し”にあい、解散に追い込まれたそうです。

元・聖華天の総長であり現・講男會(こうだんかい)傘下 長沢組若頭
“暴走族神”殺島飛露鬼は言います。

自分たちにとって暴走は“夢”だった

オレ達はそれを忍者に奪われた

仲間達にーーーあの時止まった“暴走”(ユメ)の続きを見せてやりたい

『そして忍者に復讐を!!!』

『決戦は聖地“帝都高”(テトコー)!!』

『蘇りし暴走族が忍者共を天に召す!!!』

聖華天の幹部の3人、そして沢山の仲間達を引き連れる暴走族神こと殺島飛露鬼。

ここまでが19話のストーリーです。

19話を読み返して

聖華天の幹部3人についてはプロフィールなどは単行本に載っていないのですが近藤先生がTwitterで簡単なプロフィールを紹介されていました。

それによるとαは

有羽 汰駆(ありは たく)
聖華天での通称は“α(アルファ)”
殺島の同級生で元聖華天副総長。
聖華天解散後、一度は極道になりましたが
組内での人間関係のトラブルから破門、以後は仕事も
家庭も上手く行かず
自殺寸前まで病んでました。

Σは

詩隈 殴偉人(しくま ないと)
聖華天での通称は“Σ(シグマ)”。元聖華天副総長。
αと同じく殺島の同級生。
聖華天解散後、一度は極道になりましたが
やはり真っ当な道を歩もうと思い自分から極道を辞めて再就職。
しかし全く仕事が出来ず、上司の叱責に耐える日々の中で死んだように生
きてました。

Ωは

逢魔賀 広偉(おうまが ひろい)
聖華天での通称は“Ω(オメガ)”。元聖華天特攻隊長。
殺島の後輩で、喧嘩の強さは聖華天最強です。
聖華天解散後は極道にならず、突如米国に渡り
野球無経験から大リーグの本塁打王にのしあがった怪物。
しかしその成功も彼にとっては退屈でしか無いようです。

とそれぞれ書いてあります。

極道でも人間関係のトラブルってあるんですね…。

あとシグマは無能で極道をクビになった訳ではなく、自分から辞めたんですね。
仕事できないのは営業が苦手だったのかな?

オメガが退屈している理由は後々明らかになります。

あと12、13ページの見開きの殺島の連絡が世界中の元聖華天のメンバーに広がっていくシーンですが、
最近少しTwitter上で話題になりました。

月姫(つきひめ)という名作ゲームがリメイクされるという発表がされたとき、『泣いた赤鬼』さんという方がこの見開きのパロディ絵をTwitterにアップしたところ、1.8万件のいいね、1.1万件のリツイートがつきました。

「忍者と極道 月姫」で検索するとすぐに出てきますので是非検索してみて下さい。

16ページの謎

読み返して少し気になったことがあります。

それは16ページのかつて聖華天が忍者と闘い、その結果5万人が殺されたことを説明している場面。

忍者のシルエットが見えます。その数は7人。

そしてその7人の内1人は明らかにシルエットが璃刃 壊左です。腕を伸ばしていますからね。
となると中心にいるのは神賽惨蔵になるんでしょうね。

でもそう考えると他の5人は誰なんでしょう?時系列的に本編の時代の20年前くらいになりますので他の帝都八忍はほぼ忍者になる前でしょう。忍者くんはまだ生まれてもいません。(恐らくは斗女たんも)

近藤先生が以前読者からの
「長と壊爺と他の八忍の間に年齢差があるのが気になります。間の世代に忍者はいなかったんですか?」
といった質問に対し

「いましたが全員死にました」と回答されています。

またTwitterで

忍者の死因は大体事故死や寿命、病死ですが
殺害された忍者もいます。
輝村極道が壊爺を殺す前に、第二次大戦後忍者を殺した人間が一人存在し
ます。

この回答での忍者を殺した人間というのが聖華天を壊滅させた忍者の仲間を殺したのでしょうか?
勿論事故死、寿命、病死で死んだケースも考えられます。でも約20年の間に5人ともそれらの理由で死ぬとは考えにくいんですよね。

また気になるのが忍者を殺した極道、ではなく忍者を殺した人間と書かれているところです。
極道ではないのでしょうか?

Twitter上では「輝村極道の父ではないか?」という声もありました。

今のところ真相は不明ですね。

読み返すと色々気になる点が見つかって面白いですね!