今日も私のオススメ漫画を紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします!
今日紹介するのは松原利光(まつばらとしみつ)先生の
「リクドウ」です!この漫画はボクシング漫画なんですけど
なかなか重い展開が多いのでちょっと人を選ぶかもしれません。
でも私は大好きなんです!
この記事はネタバレありです。よろしくお願いします!
リクドウ 第一話 あらすじ
とあるアパートの一室を訪れる男が二人。
「芥生(あざみ)ぃぃぃ」
「出てこいや芥生ぃぃぃ!!」
「借りたもんは返す 人生の序盤で教わる常識だろ~が!!えー!?」
この二人はヤクザで借金とりでした。
最近なかなか見ないような分かりやすい取り立てです。
中に誰かがいる気配がしたため、スーツを着た所沢と呼ばれる男がドアを蹴破り部屋の中に入ります。
中にいたのは…
首を吊っている男、そしてその男をまるでサンドバッグのように拳で叩いている少年の姿でした。
所沢は少年に対し
「何してんだ?リク」と声をかけます。
「いつものおじさん」と返すリクと呼ばれた少年。
少年は
「学校から帰ってきたら父さんこうなってた」
「…だから殴ってみた」
そう話すリク。それに対し
「それだ」「死んだお父ちゃん どーして殴るんだ?」と所沢。
リクは
「いつもされてたことを やり返してみようかな………と思って」
と答えるリク。
そんなリクの顔を左手で
パン
と殴る所沢。驚いた様子で鼻血を出すリクに対し
「こう打つんだよ ジャブは」
「拳を目の高さに構え 脇をしめて顎も守る」
「ジャブを打つ際 急所のガードが空かねーように気をつける」
「ジャブを戻す反動にそって腰と肩を回しーーー」
「大砲(ストレート)をぶっ放す!」
リクの父親の死体を殴り飛ばす所沢。
所沢は元ボクサーでパンチの打ち方をリクに教えるのでした。
(リク殴る必要ありました?)
「所沢さん こんな時 何教えてんスか」
「死体に触れちゃマズイですよ」
所沢をたしなめるもう一人のヤクザ。
「おぉ!?そうか ヤッベ!!」と所沢。
そんな時、外を歩くカップルに首を吊った死体を見られ
声を上げられます。
連れのヤクザに今回のことを会社に連絡するよう伝える所沢。
去り際にリクに
それが敗者の姿だ よく見とけ」と言い残します。
その場を去った後、連れの男はリクのことを親の死体を殴るなんていかれていると所沢に話しますが所沢は
「そーか?」
「それ程の虐待(もん)受けてきたんだろ?」
「『親子愛』っつーのは 生まれ備わった感情じゃねーんだよ」
と特に動揺した様子もなく淡々と話しています。
そしてパンチを出していたときのリクの様子を思い出し
何か思うところがあった様子。
そして少し時間が経ち
リクは父の葬儀を終え、遺骨を抱えて車で母と移動しています。
「ーーー本当は…ボクは…お母さんと一緒に暮らしたかったんだ」
母にそう話しかけるリク。二人は一緒に暮らしていなかったようです。
リクの希望は通り母と一緒に行けることになったのですが、母についていった先にいたのは…
上半身裸で腕に注射器を刺しながらよだれを垂らしている薬物中毒の男でした。
その男に母は薬物を求め、性的な行為をします。リクの目の前で。
母もまた薬物に犯されているのでした。
そんな母の姿を見てリクは
「…や……やめろ…」と声をしぼりだします。
それに激昂した男はリクを蹴飛ばしポットのお湯をかけます。
暴力をふるわれる最中、リクを押し入れに隠されていた人間の死体を発見します。
命の危険を感じたリクはその場から逃げようとします。
追いかける男。
捕まりそうになったリクはとっさに構えます。
両手を身体の前に構えるボクシングの構えに。
所沢はその時、自身の組の組長にリクのことを話していました。
「自分(てめえ)の父親の仏さん殴ってる時…
格闘技の『か』の字も知らないそのガキがですね…」
「感覚的に 急所を把握しているみたいなんですよ」
男の顎をその拳で正確に射抜くリク。
男は完全に足にきてしまい立てなくなります。
それでもリクの足を捕まえて
「殺す」と繰り返す男。
リクは思わずその場にあった灰皿を手に取り男を
身を守るため男を殴り殺すのでした。
そして今回の事件が明るみに出て報道されたところで
第一話が終わります。
この作品の魅力
この漫画は週刊ヤングジャンプで連載していた漫画です。
ヤングジャンプは少年ジャンプのような少年誌と違い青年誌でして
多少過激な表現や重い内容のストーリーもあるのですが、
その中でもなかなかないレベルの重い展開の第一話といえるでしょう。
何せ主人公のリクは父親からは虐待、別居していた母親は薬物中毒、そしてその母親に薬物を提供していた男から暴力を受け、正当防衛で殺してしまう訳です。
格闘技の漫画であることを踏まえてもあまりにも悲惨な人生を生きる主人公。
しかし、話が進むにつれ暗い過去を背負った人物が他にも沢山登場してきます。
リクと同じように過去に殺人を犯した者、両親の遺した借金を返している者、両親が事故死した者…。
他にも大企業の御曹司や警察官をやりながらボクシングをしている選手もいます。
リングの上で闘う彼らの姿に彼らの“生き様”を見ることが出来ます。
私はボクシングの魅力の一つは、境遇の全く違う者が対等な条件で命をぶつけ合う様だと思うのですが、この漫画はそれを見事に表現しています。
試合の描写なんですが、とにかく迫力があります。
なんと言うか非常にリアルな生々しさを感じるのです。
パンチが当たるときの擬音も「ズド」「カッ」といったものから
「ズチャ」「ぐちゃ」といったものまであります。
ひらがなの擬音が多いのが他の漫画にはなかなかない特徴だと思います。
個人的にはより生々しい痛みが伝わってくるような感じがして好きです。
まとめ
繰り返しになりますがこの作品はボクシングの漫画でして試合中なども
かなりリアルな描かれ方をしています。
ストーリーもかなり重いです。
人を選ぶ作品だとは思います。
それでも私はこの「リクドウ」に漫画としての魅力を大いに感じています。
リクドウ、興味がある方はまず1巻だけでも、1話だけでも読んで見て頂きたいと思います!