今日も忍者と極道を振り返るシリーズの続きを書いていきたいと思います。
最新話まで読んだ上で読み返すと色々発見があり、面白いです。
最新話までのネタバレを含みます。よろしくお願いします!
第一章 赤坂血風狼烟
第3話、第一章は忍者くんの幼少期の回想から始まります。
何者かに連れられ壊左に会う幼き忍者くん。
「極道に家族を皆殺しにされた孤児だ 名は“忍者”(しのは)と付けた」
「壊左よ 忍者に護国の忍手を授けよ 才なくば殺せ」
「手を…」
忍者の手を優しく持ちその手を暗刃の形にする壊左。
「これが“暗刃” 神速の忍手を実現する 忍者の基本形で御座います」
ここまでが最初の1ページなんですけど、私ずっと忍者くんを壊左のところまで連れてきたのって神賽惨蔵だと思ってたんです。壊左を呼び捨てにしてるし。
でも改めて読み返すとスーツ着てるし別人かもしれない。
しかし「才なくば殺せ」は怖いな…。本気で鍛錬させるための脅しで殺すつもりはないとしても家族を殺されたばかりの子供の前で使う言葉かね。
まあそれくらいじゃないと忍者は務まらないのかもしれないけど。
そして極道があつまる料亭「京兆」に向かう壊左。
中では極道(きわみ)さんが忍者と極道の因縁の歴史について大勢の極道を前に熱く語っていました。
コマ割りをタバコの煙で行っています。これは良いアイディアです。
この時点ではやる気無く寝っ転がって聞いている極道もいますね。
「忍者と極道!!その因縁の始まりは 江戸時代!!1657年1月!!」
「日本史上最大の大火災“明暦の大火”であります!!」
この明暦の大火というのは実際にあった大火災で亡くなった人は3万から10万人(諸説あり)と言われているそうです。
「死闘(たたか)ったのはッ」
「始祖の極道 江戸一の大任侠 幡随院長兵衛!!!」
「対するは忍者 裏江戸守護番 神賽惨蔵!!!」
「子分を殺られた長兵衛が なんとなんと江戸市中に火を放ち!!
惨蔵を誘い出し 仇討ちを挑んだ!!
「これが 永きに渡る 忍者と極道の死闘の火蓋と相なりました!!」
幡随院長兵衛も実在の人物です。明暦の大火の原因は諸説ありますが放火が原因とする説もあるそうです。しかし彼が放火したという説は確認できませんでした。
「…長兵衛は惜しくも敗れ瀕死の深手をーーー
しかし!!彼はとある極道に己の介錯と遺志を託した…ッ!!」
「其れぞ 長兵衛の強敵(きょうてき)で強敵(とも)ッ
水野十郎左衛門!!!」
「以来 極道には打倒忍者の悲願が脈々と!! 受け継がれているので
す!!」
この水野十郎左衛門というのも実在の人物であり、歴史の上ではこの男こそ幡随院長兵衛を殺した、と言われている人物です。
幡随院長兵衛、負けはしたけど惨蔵と闘って一旦生き延びただけでも充分スゴいよ。当時の惨蔵は今ほど強くなかったかもしれないけどそれでもスゴいって。
そして極道さんの話を続き、米軍(ヤンキー)の力を借り、最新武装の力で忍者に反撃を開始した時の話となりました。
壊左の外伝の頃の話ですね。
極道さんの話術は話を聞いている極道たちの心を揺さぶります。
極道さんは講談師のように歴史上の出来事を巧みに盛り上げ話し続けます。
そして話は極道の栄光の時代から忍者による反撃の話へ。
圧倒的に強く進化した忍者により極道は死にゆく種族へ…。
「そうじゃ…そうじゃ…!!ワシの組長(とっつあん)も
忍者の魔の手に………!!」
「組長(オトン)も忍者に殺された!!女子供10人ぽっち拷問しただけで…
血も涙もねえ!!」
「救いは…極道に救いはねえのか!?
オレら このまま 死…死んで…ッ」
この女子供10人ぽっち拷問しただけで、の部分から多くの読者は極道の倫理観に疑問を持ち始めると思いますw
そして忍者を殺す策があるがあるという極道さんを、まるで神様のように崇め群がる極道達。
彼らを手駒にすることに成功したことを確信します。
そしてその策を語ろうとしたその時、
彼の目に映ったのは2本の伸びる腕、それにより首をはねられる極道達の姿でした。
璃刃壊佐が悪しき企みを見抜き、極道を皆殺しにしようとします。
この時極道たちは壊左の伸びる腕を見て「ル●ィ……!?」と口にします。
(伏せ字にしても大体分かりますよね)
それを聞いて壊左、
「おやおや…現代(いま)はやはりそちらです哉」
「私 若い時分は“小豆蝋斎”などと呼ばれたものですが」
と言いながらホッホッホッと笑いつつ、極道をブッ殺していきます。
この小豆蝋斎という名前は漫画「バジリスク」に出てくるキャラクターです。
このキャラも壊左のように両手足を伸ばし闘います。
近藤先生は以前、「影響を受けた漫画がありましたら教えて下さい」という質問を受け大学時代にどハマりした漫画としてバジリスクをあげておられます。
(あとこの腕が伸びる技ですが“如意暴”という名前がありますがこの時点で
は登場していません)
そして手駒となる極道を殺され、忍者のあまりの強さに口を押さえ、
ショックを受けている極道さん…と思いきや
「待望(ま)っていたぞ忍者!!!」
とヘルズ・クーポンを口にして壊左を迎え撃ちます。
私この時の極道の顔、すごく好きなんですけどこの時の「べえ」という平仮名の擬音は藤田和日郎先生の漫画に出てきそうだと思いました。
さっきあげた影響を受けた漫画…の質問でも近藤先生は「うしおととら」の名前もあげておられます。
藤田和日郎先生の描くキャラはキャラクターの鬼気迫る表情も特徴の一つ何ですけど、その特徴は忍者と極道でも言えますよね。
そして壊左に向かっていく極道さん。
応援する極道たち。汗をかきつつ見守る夢澤。特に焦ってもいない殺島。
笑みを浮かべるガムテ。この時点で3人の個性が出てますね。
向かい合った壊左と極道。お互いの強さをそれぞれ肌で感じ死を覚悟しているように見えます。
そんな二人は殺し合いの最中、同じ人物のことを考えていました。
忍者くんのことです。
この3話のタイトルは「愛双つ」ですがこのページがタイトル回収の形になると思います。お互い敵として闘う二人が同じ少年のことを想うとは…。
そして同じ時、満月を見る忍者くんも同じように壊左と極道のことを考えるのでした。
そして壊左と極道は闘いを始めます。
壊左の伸びる腕を肩に受けるもギリギリで躱し笑みを浮かべる極道。
「目視(み)えるぞ 忍者!!!」
壊左の額に短刀(ドス)を突き刺す極道。
ここで刺されているのに目を相手から一切そらさない壊佐は流石です。
そして追い打ちをかけるように壊左の顔面に銃弾を4発撃ち込む極道。
ここで第3話は終了です。
(これはナイフです。短刀(ドス)とはちょっと違いますね)
第3話を読み返して
最後の極道さんと壊左の闘いはスピード感がありますね。
一瞬にして勝負が決まったっていう気がしますね。
極道さんが勝ちましたけど実際はギリギリの勝ちでしたよね。
改めて読むと二人とも相手のことを危険視した上で正面から闘うのが熱いですよね。
この闘いが作中最初の忍者側の敗北となります。
主人公の師匠が最初に敗れるという展開。
続きはまた書きたいと思います。
最初この振り返るシリーズは3~4話分くらいをまとめて振り返っていこうと思ったんですが、いざ読み返すと思っていた以上に書きたいことが多く、あまり進んでいませんw
でもできる限り忍者と極道についての考察も含め細かいところまで書いていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。