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小説 ゆうえんちーバキ外伝ー 1巻 感想

今日は週刊少年チャンピオンで連載されているコミック・ノベル

「ゆうえんちーバキ外伝ー」の感想を書いていきたいと思っています。
1巻の重要ポイントのネタバレあり、です。

これはバキ外伝とあるように少年チャンピオンの大人気漫画
バキシリーズの外伝に当たる作品です。漫画の外伝ですが、コミック・ノベルという形で描かれています。

作者は小説『餓狼伝』で有名な夢枕獏先生。

それでコミック・ノベルとは何なのか?と言う話ですが、この小説には
藤田勇利亜先生が描かれる挿絵が入っているのですが、その挿絵は一般的な小説の挿絵よりも少し多めです。

小説ではあるのですが、少し漫画よりになっている。これに対し夢枕先生は
「マンガでなく、小説でなく、絵物語でもない、新しいもの。」として
「コミック・ノベル」と命名されています。言いやすく、分かりやすい。
さすがのネーミングセンスです。

どのような内容なのか?

この小説の主人公はバキシリーズに登場する愚地克巳(おろちかつみ)という空手家の兄、葛城無門(かつらぎむもん)というキャラクターです。

サーカス団に所属しており、子供ですが大人顔負けと言ってもいい、
もの凄い運動神経の持ち主。

しかし、とある事情からサーカス団にはいられなくなってしまいます。
(このとある事情は1巻の時点では明かされません。)

そして色んなところで食べ物を盗んでいたところ
松本太山(まつもとたいざん)という巨漢のラーメンの屋台の主人と出会います。この太山は相当な強者でした。

強くなることを望み、太山に弟子入りする無門。

太山は知り合いの老人(バキシリーズに出てくる徳川光成というめちゃ金持ちのおじいさん)に頼み、無門の住むところ、通う学校を用意してもらいます。

そして無門に対し、様々な強くなるために必要なことを教えていきます。

そして月日は流れ、無門は太山の教えを卒業することになります。

太山は無門に最後の卒業式を提案するのですが、卒業式の三日前に


「悪い、用事が出来たからちょっと遅れるかもしれねえ」
「ゆうえんちに、行くことになっちまってよ」

と言います。この時無門は太山が自身の娘である梢江(こずえ)と遊園地に遊びに行くのだと思いました。

しかし、卒業式の名目で二人が闘うことになっていた日、
無門の前に現れた太山は既に、深手を負っていました。

しかしそれでも太山は無門と闘うことを止めようとしません。

戸惑いながらも太山を倒す無門。

病院に行くことを拒否し、連れて行って欲しいところがあるという太山。

以前に話した徳川光成のところでした。

そこで太山の傷口を見た光成は思わず、

「こんなことができるのは柳龍光(やなぎりゅうこう)くらいだろう」

そう口にします。

無門にとって心から信頼する師である太山は
ゆうえんちと呼ばれる場所で、柳龍光という相手と闘い、深手を負い
それが原因で命を落としてしまいます。

柳龍光とはどんな男なのか…、そしてゆうえんちとは何のことなのか…。

無門はそれらを知るため、たった一人で動き始めるのでした。

様々な登場人物

この「ゆうえんち」は270ページ程で小説としては恐らくあまり長い方ではないと思います。

ですがそうは言っても270ページあるので読み応えはあります。

ただ!私はめちゃくちゃ面白くて一気に読んでしまいました。

このゆうえんちには板垣恵介先生の漫画のバキシリーズ、謝男(シャーマン)の登場人物と、
夢枕先生の小説「餓狼伝」「獅子の門」などから様々な登場人物が登場します。

二大巨頭のコラボな訳ですね。

私自身はバキは読んでいるのですが、実は夢枕先生の書かれた小説を読んだことはほぼ無く、このゆうえんちが初めてです。
(餓狼伝を板垣先生が漫画化したものは読んだことあります)

しかし、それでも十分すぎるほど面白いですね。

このゆうえんちをきっかけに夢枕先生の他の作品も読んでみようと思いました。

板垣先生の漫画が好きな方、夢枕先生の小説が好きな方はもちろん
「普段格闘漫画はよく読むけど、小説はあんまり読まないなー」という方にこそ読んで欲しいと思いました。

藤田先生の挿絵があるおかげで、あまり小説を読まない人でも非常に読みやすく出来ています、お勧めです!