野球でいえばイチロー選手、将棋でいえば藤井聡太二冠、卓球でいえば張本智和選手、ボクシングでいえば井上尚弥選手。
私はどんな世界にも「天才」と呼ばれる人間はいると思っています。
上に挙げた4人のような有名な方々もいれば、世間的にはほとんど無名ですが天才といえる人も沢山いるでしょう。
例えば話題になった「天穂のサクナヒメ」というインディーゲームを作るにあたって使われた「ラグナロクエンジン」というシステムは同人ゲームサークル「にゃっほい屋」のにゃっほいさんという方が一人で開発したとか。
天才は存在します、もちろん漫画の世界にも。
今日は私の大好きな漫画の世界の天才だと思う人、そして天才ではないが、という人達のことを私の勝手な解釈で紹介させて頂きたいと思います。
あくまで私の主観ですのでよろしくお願いします。
私が思う漫画界の天才
私が現役の漫画家でこの人は天才だと完全に思っているのは
「HUNTER×HUNTER」の作者の冨樫義博先生です。
正直この人はマジの天才だと思っています。
もうとにかく話を作るのが上手いです。上手すぎます。
HUNTER×HUNTERの面白いところを説明するのは結構難しいと思うんですが、まず細かいところまでの作り込みがスゴいです。
グリードアイランド編で40種類のスペルカード、100種類を越えるカード化できるアイテムが出てくるんですけど、本編の方にほとんど絡んでこないモノがあります。
しかし本編に出ないモノでもそれぞれのスペル、アイテムの詳細まで決められており、私は当時ジャンプに掲載された
「指定ポケットカード」の一覧のページを飽きることもなくずーっと眺めていました。単行本にも載っています。
またこのグリードアイランド編では「ゲームのクリア報酬として指定ポケットカード(のアイテム)を3つまで現実世界に持ち帰ることが出来る」のですが、
「俺だったら何を持って帰ろう?」と想像して遊んでいましたw
面白い漫画ってこの先の展開とか「自分だったらどうする?」という部分を想像できる楽しさがあると思うんです。HUNTER×HUNTERは正にそういうところがあるタイプの漫画だと思います。
ただ、最近ジャンプを読んでいて「この人も天才」と思う人が出てきました。
「チェンソーマン」の藤本タツキ先生です。
新星
藤本先生は冨樫先生とは全く違うタイプだと思うのですが、私に言わせるとまごう事なき天才だと思っています。
私はチェンソーマンよりも前に藤本先生が描かれた「ファイアパンチ」も読んでいたのですが、その時から底知れぬモノは感じていました。
上手く言えませんが冨樫先生が理性的な天才とすれば、藤本先生は本能的な天才、という気がします。
ペンを持って勢いを乗せて描いたらあれだけ面白い漫画が出来た、というような。
以前にも「オススメ漫画 チェンソーマン」の回でも描きましたが、とにかく演出、キャラクターの台詞がカッコいいんですよね。
あとちょっと浮世離れしているイメージもあります。
チェンソーマンは先週号のジャンプで最終回を迎えたのですが、最終回のジャンプの藤本先生の巻末コメント
「じゃあねー」の一言でした。
普通は応援ありがとうございました!とか次回作も頑張ります!とか書くじゃないですか?
それが「じゃあねー」ですからね。
コメントのスペース余りまくってました。
それでは私が今最も推している「忍者と極道」の作者、近藤信輔先生は天才なのか?という話をさせて頂きたいのですが、正直近藤先生は天才ではないと思っています。もちろん個人の主観ですが。
近藤信輔先生の印象
近藤先生は以前少年ジャンプで「烈!!!伊達先パイ」「ジュウドウズ」という2つの作品を連載していたのですが2つとも打ち切りという形で終わっています。烈!!!伊達先パイは単行本全2巻、ジュウドウズは3巻です。
その後一度読み切りを挟んで(『少年ジャンプNEXT!』2015 vol.6)
2020年忍者と極道の連載を始められました。
正直天才というよりかは苦労人、というイメージが強いです。
しかし、天才でないと面白い漫画は描けないのか?という質問があれば、私は力強くNOと答えたいです。
近藤先生は打ち切りにも負けず、漫画を描き続けました。
ご本人がTwitterで
『前の連載の頃、当時の担当さんからドラマの弱さを指摘されたのが滅茶苦茶悔しくてそれから5年間ドラマ作れるようになったるってあれこれ映画やドラマ見てうんこみたいな駄作連発してボツ食らって悪戦苦闘した。』
ということをおっしゃっています。
大変な努力の末に忍者と極道を描いておられるわけです。
もちろん天才と呼ばれる方々も努力はされてるはずです。
しかしこれも私の勝手な主観ですが、近藤先生の努力は
「泥臭い、血のにじむような」努力という表現がしっくりくる気がします。
私の中で近藤先生は正に「少年漫画の主人公」なんです。
忍者と極道という作品を通して、近藤先生の人生も垣間見ているようなそんな気がしています。
そんな近藤先生の漫画「忍者と極道」をこれからも推していきたいと思います!