介護の仕事

介護あるある その6

久しぶりに介護あるあるを書いていきたいと思います。

よろしければお付き合い下さい。

介護あるある

  • 介護が大変なのは寝たきりの人ではなく勝手に歩かれる人

これは私の個人的に考えている部分が強いのですが、恐らく同じように考えている方は多いと思います。

どのくらい介護士の介助が必要な状態かは

要支援度、そして要介護度

というものであらわされます。これらの項目は介護保険制度を利用するにあたって重要な意味を持ちます。

介護保険の支給限度額というお金のことに関わってきます。

基本的に寝たきりの方、座位を維持できない、つまり一人で座っていることも出来ずリクライニング型の車椅子を使っているような方は最も介護が必要とされる要介護度5になります。

「1番要介護度が高い訳だから、要介護度5の人の介護が1番大変じゃないの?」

そういう風に思われる人が多いかも知れません。

ただ、私の考えは違いました。

寝たきりの状態の利用者さんは確かにしっかり見守りが必要です。

人によっては痰がが絡みやすい人もいます。

こまめに体位交換をしていかないと、体に褥瘡(じょくそう)ができることもあります。

褥瘡というのは床ずれとも呼ばれ、ずっと同じ箇所がベッドと接しており、その部分の血の巡りが悪くなることでその部分に傷が出来る、それが褥瘡です。

出来やすいのは肩甲骨の部分、肘、踵といった圧がかかりやすい部分です。

「いつも同じ体勢で寝ているけど、そんなのなったことない」

このブログを読んでくれる方の多くは、そうだと思います。褥瘡になったことがある方はほぼいないと思います。私もなったことはありません。

何故、私たちは寝ていても褥瘡にならないか?

それは私たちが寝ている間に無意識のうちに寝返りをうっているからです。

それで特定の場所に圧力がかかり続けないようになっている訳です。

寝返りは健康的に眠ることに必要なんですね。

だから自力で寝返りが出来ない利用者さんは、介護士の手により体の向きを変える体位交換(略して体交と呼ぶこともあり)が必要なわけです。

少し話がそれましたが、寝たきりの利用者さんは確かに注意しなくてはいけないことが沢山あります。

しかし、私は寝たきりの人よりも要介護度が低い
「勝手に歩き回る利用者さん」が1番手がかかると思っています。

介護を必要としている利用者さんにも色んなタイプの方がいらっしゃいます。

「体の調子は悪いが職員としっかりお話が出来る人」も中にはいます。

その逆で「認知症は進んでいるが比較的体は元気な人」もいます。

正直後者の方が大変です。

何故かというと前者の人は、自分が今介護が必要な状態であることを理解して下さるケースが多いのですが、後者の場合は介護を嫌がったりするケースが多いのです。

例えば自分が介護施設に来た時の家族との約束を忘れ、突然
「家に帰る!」と言いだし、エレベーターに乗ろうとします。

もちろんそのまま家に帰ってもらう訳にはいきません。そういう時は

「今日は天気が悪いですからまた明日にしましょう」と言って先延ばしにしたり、

「今お家の人に電話して迎えに来てもらいますから少し待っていて下さい。」などと説明し時間を稼ぎ忘れてくれるのを待ったりします。

頭ごなしに「帰れません。」と言っても
「何で帰れないんだ!?」と怒りだしてしまうケースも多いからです。

あの手この手でごまかします。それが平和的な解決方法でした。

あと、勝手に歩き回る方は安全面でも注意が必要です。

消しゴムや電池など小さな物を口に入れてしまう可能性があるからです。

そのまま飲み込んでしまったら一大事です。

小さな子供のやりそうなことと思われるかも知れませんが実際そういうことが怒る可能性はあります。

あとは自分の部屋をトイレと勘違いしていつの間にか部屋の隅っこで排尿されていたりすることもありました。

そのような人の対処法としては排尿があった時間を記録し、その時間の少し前にトイレに連れて行き、排尿を促すなどの対処法が見られます。

ただ、やはり1番恐いのは転倒でした。

自力で歩けるけど歩く際に、歩行器や杖が必要な人がいます。

そのような人は普段から
「歩くときは歩行器(杖)を使って下さいね」と声をかけているのですが
結構それを忘れて立ち上がって歩き出してしまうことがあります。

そうなった場合、当然危険です。転んでしまう危険が高いため見つけたら急いで駆け寄り、座ってもらったり歩行器や杖を渡したりします。

このように認知症が進んでいるのに1人で歩いて行ってしまう人は気をつけなくては行けないことが非常に多いのです。