介護の仕事

介護あるある その4

今日も介護あるあるを書いていきたいと思います。

よろしくお願いします!

介護あるある

  • 「義歯」と「補聴器」は紛失しやすい

このブログを読んでくれている皆さんは、家の中で物を無くしてしまったことはあるでしょうか?

財布、スマホ、家の鍵、ペン、消しゴム、指輪、ピアス、クレジットカード、テレビのリモコン、エアコンのリモコン…。

ほとんどの方が何かを無くされた経験があると思います。


その中にはすぐに見つかった物、なかなか見つからなかった物、見つからないと思って諦めていたら出てきた物、未だに見つかっていない物。

色々あるのではないかと思います。

そして物の紛失は介護施設でも当然起きることです。

健常者ですら人間は物を無くしてしまう訳ですから、認知症の人が物を無くしてしまったとしても不思議はありませんよね。

利用者さんもいろいろな物を無くされるのですが、その中でも特別
無くされたときに困ってしまうのが「義歯」と「補聴器」です。

義歯というのは入れ歯と言った方が分かりやすいでしょうか?

お年寄りや事故などで歯を失ってしまった人が口の中に装着する物です。

恐らく義歯にあまり馴染みの無い方が思い浮かべる一般的な入れ歯、カポっと口の中に入れるのは総義歯(総入れ歯)と呼ばれる物であり、他に局部義歯(局部入れ歯)と言われる物もあります。

上の写真が総入れ歯です。上顎の部分に自分の歯が1本も残っていない方が着ける物ですね。

そしてこれが局部入れ歯です。総入れ歯と違い、スペースが空いている部分があり、金属で補強してあります。

私の勤めていた施設では、義歯は夜間の間は基本的に外して洗浄剤と一緒に専用のケースにしまわれています。

昼間の臥床タイム、つまりお昼寝の時は外したり外さなかったりです。

ただ、口腔ケアを職員の方でやっている利用者さんの場合は大体大丈夫なのですが、ご自分で管理している人の方が大変です。

しっかり管理出来る人ならいいのですが、ティッシュで包んでその辺に置いておいたりする人も結構多かったです。

補聴器は更に紛失しやすいです。

基本的に義歯よりも小さく施設内で落としたとしてもなかなか見つかるような物ではありません。

昔、横になったときに取れたのかベッドの枕元で見つかったことがありました。

あとこれは、これから介護の仕事に就こうと思っている方に、出来れば覚えておいてほしい事なのですが、高齢者向け施設はゴミ箱が複数置いてあることが多いです。

共同フロアにも置いてありますし、利用者さん1人1人の部屋にも置いてあります。

自力歩行出来る歩行者さんは、義歯、補聴器に関わらず、うっかり私物を捨ててしまうことがありますので、さりげなく注意して欲しいです。

前述のようにティッシュに包んである場合、気づきにくいです。

  • 「この人しっかりしてる」はあまり真に受けない方がいい

介護の仕事をしていると、たまに普段自分が担当しているフロア以外のフロアの仕事を任されることがあると思います。

その際、担当者からそのフロアの利用者さんの認知症の状態、当日の様子を申し送りされることが多いと思うのですが、よく
「この利用者さんはしっかりしてるからあまり気にしなくても大丈夫」
ということを言われます。

施設にはいろんな利用者がおられます。
中にはほぼ自立しており、日常生活に必要なことをほとんど自分で出来る人もいます。

そういった人は大体職員と普通に会話も出来ますし、テーブルや食器を拭いたりといった簡単なお仕事を手伝ってくれたりします。

職員としてもとても頼りになる存在なのですが、ただ「しっかりしている人だから」と全く気にかけていなくていい、という訳ではないのです。

あるとき、自立している利用者さんが食事介助が必要な対し、スプーンを使って食事をあげようとしていることがありました。

これはいくらしっかりしている利用者さんでもしてはいけないことです。
介護士の仕事ですからね。

あと基本的に認知症というものは1度なってしまうと(種類にもよりますが)完全に治すことは出来ないと言われています。
(薬を使い、症状を軽くすることは出来ます)

つまり認知症が軽度の状態で、一見しっかりしているように見えても
月日が経つにつれ、症状が悪化し身体、精神の状態が不安定になってしまうことも考えられます。しかもそれはいつ来るか分からず、突然気づくかもしれないのです。

施設では頭を使う体操や、指先を使い折り紙をしたりして認知症の進行を
くい止めるため、色々なアクティビティが行われていますが、それでも完全に進行を止めることは出来ません。

ですので、「この人はしっかりしてる」と理解しつつ、介護士として1人の利用者さんとして見守るということはしていった方がいいと思います。